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ON SITE PROGRAM

オンサイトプログラム Kyoto Spring Institute(KSI)

Kyoto Spring Institute(KSI)の意義

ジョンズホプキンス大学 客員教授

京都大学 名誉教授

福島県立医科大学 副学長

福原 俊一

Kyoto Spring Institute(KSI)は、ジョンズホプキンス大学 School of Public Health(JHSPH)MPH 日本プログラムの大学院生のみなさま(SSPJ(Special Study Program for Japan)を通じて入学許可された学生)が卒業されるまでに、3回の出席が求められる5日間のオンサイトのプログラムです。この KSI は、日本プログラムの学生のみなさまにとっての卒業要件であるだけでなく、これ自体、極めて意義の高いプログラムであると思います。

以下に2つの理由をまとめます。

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撮影 Keisen Hayashi

・オンラインでは得られない深い学び

KSIでは、オンラインでの履修が特に難しいとされる3つの必修科目を提供します。データ解析のスキルや履修要件でもある Capstone project の計画・発表について、オンサイトでしかも仲間とともに深く学んでいただけます。統計解析をハンズオンで学ぶワークショップは、オンラインでは得られない学習効果があります。2020年から新たに2つの必修科目が提供されます。1つは、すべての学生に求められる Capstone project をいかにデザインするかをグループ実習形式で学びます。もう1つは、各学生が実施した Capstone project の進捗をプレゼンテーションし、教授や仲間の学生からフィードバックを得ながら改訂する作業を行う実習です。KSI では京都大学 SPH の教員たちもティーチングアシスタントやファシリテーターとしてみなさまの学習を支援します。このように、KSI で提供される充実した3つの必修科目と学習支援体制により、オンライン科目ではなかなか得られない、深い学びを得ることができます。

 

・日本プログラムの仲間との切磋琢磨とネットワーキング

高等教育のオンライン化が急速に進んでいく一方で、オンサイトプログラムの価値は減じることはありません。人の学びと成長にとって、学ぶ仲間との健全な競争や切磋琢磨は、極めて効果的です。また5日間の集中的かつ濃密な交流によって得られる仲間意識や強固なネットワークは何事にも変えがたい価値を生みます。入学から卒業まで、3年間のオンサイトプログラムで培われる強い絆は、卒業後も長く続き、お一人お一人の学生のみなさまにとってのかけがえのない財産となることでしょう。

年を経るごとに alumni(卒業生)数は増え続け、徐々に大規模かつ強力な日本プログラム alumni network として進化して行くことを期待しております。さらに、日本プログラムだけではなく、JHSPH 全体の alumni でもあり、全世界の学生や alumni とのネットワーキングも進むと期待されます。

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Kyoto Spring Institute(KSI)で提供される必修科目

【1】Capstone Project Design

コースディレクター:Professor Shunichi Fukuhara

対象:1年生

コース概要:Capstone は、すべての MPH 学生に課せられた研究プロジェクトです。学生は自分自身のリサーチクエスチョンをもとにプロジェクトを計画、実施、分析し、結果を報告します。論文作成までは求められませんが、レポートが必要となります。すべての研究プロジェクトは、リサーチクエスチョンから始まります。これをもとに研究としてデザインし、研究計画を作成する事は簡単なことではありません。リサーチクエスチョンを考案・選択することだけでも多くの人にとって困難な課題です。コースディレクターの福原教授は、京都大学や学外においてリサーチクエスチョンの作り方や、これに答えを出す研究のデザイン法を多くの大学院生や社会人に伝えてきました。また、2冊の著作はロングセラーとなっています。このコースは、福原教授が15年間をかけて開発進化させてきた京都大学の人気科目である「研究デザイン演習」をモデルとした濃密なグループ実習です。各グループには京都大学の教員がファシリテーターとして演習を支援します。

【2】データ解析ワークショップ

コースディレクター:Professor Marie Diener-West

対象:2年生

コース概要:Public Health における問題を科学的に検証するためには統計学に関する知識とスキルの習得は不可欠なものです。統計学の習得には、まず、その理論的背景や知識を理解することが大前提ですが、それだけでは十分ではなく、実際のデータを使ったハンズオンの実習が必須となります。また、研究においては複雑かつ大量のデータを効率よくマネージメントするスキルも要求されます。このコースは、日本プログラムが開始された2016年から継続されている本格的な解析実習であり、実際の統計ソフト Stata を用いた実習により、データマネージメントから応用的な統計解析手法まで幅広い技能を学んでいただきます。JHSPH MPH Program Chair で統計学教授でもある Marie Diener-West 教授が科目責任者となって提供します。さらに京都大学の統計解析のエキスパートがティーチングアシスタントとして活躍します。

【3】Capstone Project Progress

コースディレクター:Professor Michael J. Klag

対象:3年生

コース概要:この科目を受ける頃には、ほとんどの学生は、自分のリサーチクエスチョンをもとに作成した研究計画に沿って実施した研究の結果がある程度出ています。次の課題は、研究の過程で得られた結果をどのように解釈するかという点です。これは、例えば量的研究において、統計解析の結果をサマライズするだけでは不十分です。そこで得られた結果が臨床的あるいは社会的にどのような意味があるかを適切に解釈し説明することが求められます。次の課題は、このように得られた研究結果、そして、その解釈をどのように効果的に他の人に伝えることができるかという点です。これはプレゼンテーションのスキルや、レポート作成のスキルともいえます。このコースは、1年生の時に Capstone Project Design で学んだことをもとに作成した計画にそってプロジェクトを実施し、3年生までにプロジェクトを完成させ、最後のレポートに備えることを目的としています。JHSPH 第10代 Dean の Michael Klag 教授が科目責任者として提供します。また他の教員もこのクラスに協力します。

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